蓮田の匠:埼玉県地域経済活性化推進事業

曽和 靖夫:鋳物薪ストーブ

薪ストーブと曽和との出会い

「正月に行った谷川岳の山小屋に置いてあった薪ストーブに助けてもらってね。」と笑顔で語る曽和さん。
冷えきった身体でやっとの思いで辿り着いた山小屋で味わった優しい暖気と美しい炎のゆらめき。
薪ストーブの魅力に気付いたのはここからでした。
まさかこの時は自分で薪ストーブを作るだなんて思ってもいませんでしたが。

最初はホームセンターで既成品の薪ストーブを購入しました。でも使っているうちに性能面での不満が出てくるんです。
そこで本場であるヨーロッパの薪ストーブを研究していくうちに、自分でも作れるのではないかという確信に近いひらめきが訪れました。
そもそもそれというのも私の本業は自動車の電装部品や金属の精密加工品を手作業で作る仕事で、偶然にもストーブを作れるだけの技術と工作機械を持ち合わせていたのです。

自分で作った薪ストーブで身体が冷えきった登山愛好家たちを迎える。
山好きとしてこれほど嬉しいことはありません。
性能の高い薪ストーブを作り、みんなに喜んでもらいたい。
こんな単純な理由で世界に一つだけの鋳物薪ストーブを作り始めました。

廃棄物 × イメージ = 薪ストーブ

鋳物薪ストーブで使用する材料は、棄てられたり、海外に売却されたり、溶鉱炉で溶かされてしまうような工作機械の土台です。
一台数千万円するような工作機械を中古で購入したり、自分の工場で使わなくなった機械を分解し、土台部分の鋳物を取り出します。
もちろん、すべて別々の機械ですから、使うベースの機械によってデザインも変わってきます。
素材によって大型のストーブになったりコンパクトなストーブになったりするわけです。
ですので購入希望のお客様にはご足労いただいて、ベースとなる鋳物を選んでもらうことから製作が始まるのです。

ベースとなる鋳物が決まったらデザインを考えます。
電車の中や病院での待ち時間にデザインイメージのメモを書いているのですが、この考えている時間も楽しい。
もとの鋳物のデザインを活かして、どこに炎を眺めるための窓枠を配置するか、煙突の穴や薪の投入口の位置を決めていくわけです。
命が終わるはずだった機械に、新たな命を吹き込むという作業は日本人だからこその「もったいない」と「ものづくり」の心なのかもしれません。

また、イメージだけでは製品はできあがりません。
実際に加工する技術が必要になってきますが、これこそが私の強みです。
デザインから鋳物加工、耐熱ガラスの填め込み、組み上げなど全部一人で出来る人はほとんどいません。
鋳物を加工できる工作機械を保有していても、それだけでは薪ストーブを作ることはできません。
技術と機械とイメージの集合体として、廃材が手作りの鋳物薪ストーブとして蘇るのです。

鋳物薪ストーブをまず100台作りたい

近々の目標として、鋳物薪ストーブをまず100台作りたいと考えています。
現状は6年で25台程度なので、少し急いで作らないと身体が動かなくなっちゃいますからね(笑)。
あと6年ぐらいで楽しみながら作れればいいなぁと。
道楽では無いですが、楽しくなかったら続かないですよね。

世界に一台だけの鋳物にこだわった薪ストーブ。
本来であればこの値段で、一から鋳物のストーブは作れないんです。
再利用品であり、自分が好きでこの素晴らしい薪ストーブを広めたいと考えながら作っているから、世間相場の値段で提供しています。
ただ、決して安い買い物ではありません。
一軒家や別荘で使うようなコンパクトな薪ストーブでも30万円、100坪ぐらいの建物でも充分暖まる大型の薪ストーブだと60万円ぐらいの値段になります。
だからこそ心から欲しいと思ってくれるお客様に買ってもらって、末永く楽しんでもらいたいですね。

経歴

薪ストーブ工房「樵焚炉」代表。本業の自動車の電装部品や金属の精密加工品を手作業で作る仕事に従事しながら鋳物薪ストーブ製作を開始。
鋳物加工や溶接、切削加工の技術と、頭の中に浮かぶイメージを具現化することにより、一つ一つ独創性溢れた鋳物薪ストーブを製作している。すでに日本各地で多くの販売実績があり。

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