蓮田の匠:埼玉県地域経済活性化推進事業

孫の代まで使える薪ストーブ

工作機械は最上級の品質の鋳物を基礎にしています。鋳物は材質が重要で、純度が高い鋳物材を使わなければ硬度や耐久性が下がります。数千万円もするような高額の工作機械は、長期間使用しなければ採算が合いません。当然、数十年程度の利用でも問題が起きないよう鋳物材の質も高くなっているわけです。この硬度が高くて分厚い鋳物をベースにするからこそ、孫の世代まで、いや100年先でも使える薪ストーブに仕上がるのです。

鋳物の薪ストーブは鋼板の薪ストーブや石油ストーブと違い炉内が温まるまで時間がかかりますが、一度炉内の温度が高まると長い間放熱量も持続します。薪ストーブは輻射式の暖房方式となります。輻射式とは薪を燃やすことでストーブ本体を熱し周辺の空気を暖める暖房方式で、遠赤外線の熱線により身体の芯までじんわりと染みわたる暖かさを与えてくれます。

また、炉内の炎のゆらめきも薪ストーブを使う醍醐味の一つです。まるで生き物のように動く炉内の炎を見ているだけで心が安らぎます。電気を消して火の明かりだけにするだけで非常に心地良い雰囲気になります。こればっかりは見てもらわないと分からないので、ぜひ体感してもらいたいと願っています。

日々使うものだからこそ性能にこだわって欲しい

薪ストーブに興味を持ったばかりのお客様は、性能ではなくデザインや値段で選ぶ場合が多いです。もちろんデザインや予算も薪ストーブを選ぶ際に重要な要素となることは否定しません。でも日常で使うものだからこそ性能を重要視してもらいたいのです。

性能は実際に火を焚いて初めて分かります。見た目だけでなく、実際に体験していただくことで本当の長所や欠点がわかります。性能、デザイン、価格など、様々な要素を比較検討し、一番良いバランスの薪ストーブを選択して長い期間楽しんでいただければと。その選択肢の一つとして、この鋳物薪ストーブを選んでいただければ有難い限りです。

薪ストーブというと寒冷地に住んでいる人や、別荘、ロッジ、山小屋などで利用されるという印象が強いです。でも、それだけではありません。一般家庭の方々にもぜひ薪ストーブを楽しんでいただきたい。10畳ぐらいのリビングでも構いません。フローリングでも大丈夫です。家族で柔らかな暖かみと炎のゆらめきを感じて欲しいのです。

災害時のライフラインとしての薪ストーブ

災害は起きないに越したことはありません。でも万が一起きてしまったらその場の状況を最大限活用して生き延びていかなければいけません。未曾有の大災害となった東日本大震災でもこの薪ストーブがあったおかげで非常に助かりました。災害時で電気やガスなどのライフラインが途切れても薪、いや瓦礫があれば暖が取れる。お湯も沸かせる、料理もできるわけです。

いま、災害時のボランティア用として提供できるように、大型の鋳物薪ストーブを製作しています。この薪ストーブ一台あれば体育館規模の大きさの建物でも充分に暖が取れますし、そこに人の輪が生まれることでしょう。もちろん料理をすることも可能です。

年齢を重ねるうちに何か一つぐらい社会に貢献しないといけないと思いましたが、年齢的に肉体作業のボランティアは厳しい。せめて実用的なモノを届けることが最大限貢献できることなのではないかと考え、製作に励んでいます。使う機会が無いことを願いつつも、万が一の時に備え自分のできる限りのことをおこなっていきます。

鋳物薪ストーブ:曽和靖夫

薪ストーブ工房「樵焚炉」代表。本業の自動車の電装部品や金属の精密加工品を手作業で作る仕事に従事しながら鋳物薪ストーブ製作を開始。
鋳物加工や溶接、切削加工の技術と、頭の中に浮かぶイメージを具現化することにより、一つ一つ独創性溢れた鋳物薪ストーブを製作している。すでに日本各地で多くの販売実績があり。

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